

Desigral | デザイラル 編集長
樹神 大輝(コタマ ヒロキ)
Desiral:デザイラル メディア編集部として不定期で更新します。デザイン界隈の最新ニュースからすぐ使えるノウハウまで、わかりやすく紹介。現役デザイナーがトレンドをキャッチアップしながらマイペースにお届けしています。
Webサイト制作でどんどんシェアを拡大している日本の国産ノーコードツール「Studio」。細かいコーディングの知識がなくても、デザインエディタから直感的にホームページやLPが作れるツールとして、大手企業や政治家のサイトまでさまざまな用途で活用されています。実は当サイト「Desiral:デザイラル」もStudioで制作しています。
2024年の自民党総裁選では、衆議院議員の小泉進次郎さんの特設サイトもStudio製として話題にもなりました。

引用元:小泉進次郎オフィシャルサイト
2024年頃からは海外へのプロモーションも加速し、いよいよ世界的なプロダクトになる期待が高まっている中、国産ノーコードツール「Studio」を2019年頃から使い倒しているデザイナーが、「こんなサイトはSTUDIOで良くない?」という部分と「できないこと」を解説しますのでぜひ参考にしてみてください。
※掲載の情報は執筆時2024年10月現在の最新

「Studio」はWEBサービスとして提供されているため、無料でも使えますが料金プランごとに機能に制限が設けられています。まずはプランごとの比較をみていきます。
尚、2024年12月1日から料金プランが刷新され、これまでの有料プランStarter・CMS・Businessの3プランから、全4プランへと改訂となっているので、そちらをベースにご紹介します。
プラン名 | 概要 | 料金 |
|---|---|---|
Mini | 1ページ構成のサイトが構築できるリーズナブルなプラン | ¥590/月〜 |
Personal | 個人向けのWebサイト、ブログなどにオススメ | ¥1,190/月〜 |
Business | ビジネス用途の標準的なWebサイトにオススメ | ¥3,980/月〜 |
Business Plus | より高度な機能が必要な法人様、大規模サイト向け | ¥9,980/月〜 |

※1 CMSによって生成される動的ページは含まず(テンプレートページは1ページとカウント)。リダイレクトも含まず。
※ Business Plus プランのさらに上位として、「Enterprise」プランを引き続き提供。
2024年12月1日より、上記のように無料プランを含めてFree/Mini/Personal/Business/Business Plusの5つのプランで提供となっています。
独自ドメインを接続するにはMiniプラン以上の有料プランが必要ですが、料金が違うのに加えて、プランの差で注目すべき点を絞って説明していきます。
プランごとに月間Visitor数の制限が設けられています。
FreeプランとMiniプランは2,000
Personalプランは20,000
Businessプランは40,000
Business Plusプランは1,000,000
となっており、過去PV数制限だったものがVisitor数へと変更されています。
少ないと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、Visitor数でカウントされるので1ユーザーがどれだけページを閲覧しても1カウントと考えると、Personalプラン以上の20,000〜というのは月間2万人のユーザーが訪れるかどうかなので、有名なサイトや大規模サイト等でない限りは基本的に問題ないと感じます。
FreeプランやMiniプランの2,000というのも、個人向けや小さく始める時のサイトであれば充分であり、超えそうであればプランをアップグレードすれば良いので、費用をひとまず抑えて使ってみたい方にはおすすめです。
Visitor数制限については、課金にはなりますが一時的な大幅アクセスを許容するため、Visitorアドオンというオプションが用意されており、40万か100万Visitorを制限に一時的に加算することが可能になっています。
プランごとにCMS機能の制限が設けられています。
FreeプランとMiniプランはモデル数3、公開アイテム数100
Personalプランはモデル数5、公開アイテム数1,000
Businessプランはモデル数10、公開アイテム数5,000
Business Plusプランはモデル数30、公開アイテム数15,000
となっており、モデル数というのはデータベースのテーブルのようなものと考えてもらえれば良いかもしれません。
例えば、2024年10月段階では、
ブログ記事詳細管理のモデル
ブログ記事のカテゴリ管理のモデル
ブログ記事執筆者管理のモデル
上記を管理するとしたら3つ利用することになります。
一般的なコーポレートサイトやサービスサイト、静的なポートフォリオサイト程度であれば、お知らせやブログ機能を付ける程度の利用がほとんどかと思うので、Miniプランまたは余力を考えてPersonalプラン以上を使う形が理想です。
公開アイテム数は、ブログであればいくつ記事管理できるかという部分にあたりますが、更新頻度で1,2年後どれくらいの数が必要か目安で検討すると良いと思います。
プランごとに制作できるページ数の制限が設けられています。
Freeプランは50P
Miniプランは2P+404ページ
Personalプランは150P
Businessプランは300P
Business Plusプランは300P
※ただしCMS機能を使って作れる動的なページ(ブログ詳細ページなど)は含まない。
となっています。
注意なのは、Miniプランのみページ数が大幅に少ないため、利用用途が限られる部分です。404ページに加え2ページのみとなると、1ページもののコーポレートサイトかランディングページと、お問い合わせ完了ページで上限いっぱいとなるので、複数ページあるサイトは基本的にPersonalプラン以上と考えてもらえれば良いかと思います。
プランごとに保存できるフォームの件数が異なります。ただしこれは、上限が近づいたら古いものを削除することで復活するので、運用でカバーできるケースも多そうです。Googleスプレッドシートへのフォーム送信内容の保存なども連携が可能なので、毎日複数の問い合わせがあるようなサイトでない場合はあまり気にする必要はなさそうです。
特筆すべき点について上記で説明しましたが、その他にもパスワード保護機能(サイト全体にパスワードをかけ保護する機能)、権限制限(同プロジェクト内の参加ユーザーごとに使える機能を権限で分けられる機能)、リダイレクト機能などいくつか違いがあります。運用でカバーできないケースでは注意が必要です。新規サイトやリニューアルであれば初期要件をしっかり確認して、リリース・運用までにボトルネックがなさそうか確認しておくことが重要です。
ノーコードツール「Studio」は、これまでのコーディングフェーズを主に大幅にコストカットできるのが特徴ですが、一部の要件にはマッチしない場合があるため、Studioでできないことを思いつく範囲で整理してみました。
サイトを作ったり編集したり、記事を書きたい場合は管理画面から行う必要がありますが、現状PCからの操作のみがサポートされています。クライアント様などでタブレットで記事を投稿したい、スマホでダッシュボードを見たいなどの場合は事前に難しいことを伝えて認識を合わせておくことが必要です。
サイトを作りたい時、自分の商品を売ったりするECサイトにしたい場合は、Studioだとまだ厳しいです。外部決済ツールのStripeなどをうまく絡めることで、決済機能を無理やり実装することなどは可能ですが、サポート外なのでリスクを考えると個人用以外では難しいと考えておきましょう。ECサイトは別サービスで作成した上で、そのエントランスとなるページをStudioで作るなどの柔軟な対応が必要です。
rem,emなどの相対的なサイズ単位を利用することはできません。また、手持ちのWebフォントを利用するなどもできませんが、フォントに関してはGoogleフォント以外にもモリサワフォントを始め多彩な日本語フォントが無料で利用できるようになっているので、あまり困ったことは個人的にはありません。日本語フォントが充実しているのは日本製ツールの大きな利点でもあります。
ファンクラブサイトなどを作りたい場合にも、ユーザーの会員登録機能がなく、ユーザーごとにパスワードで閲覧可能なページを分けるなども難しいため、会員限定サイトなどは難しいです。登録を促すエントランスとしてのLPのようなものとして活用する分には問題ありませんが、外部サービスへリンクして活用する形が多いでしょう。
Studioで作ったサイトは、ソースコードを直接編集することができないため、Studioのエディタにタグとして存在しない構造などを作ることができない場合があります。代表的なものとしては、パンくずリストを推奨の構造にできなかったり、テーブルの細かなカスタマイズ、CMSページの複雑なスタイル管理などが一部対応できません。ただし、iframe経由でのカスタムコードの直接反映や構造化データの埋め込みなど代替手段で理想の形を表現することはかなり柔軟にできるようになっています。
また、コードのエクスポートはできないので、Studioで作ったサイトをダウンロードして自社サーバーにファイルを直接置くなども難しいです。ソースコードでの納品を依頼されている場合などは、できない旨と代替案をクライアント様と擦り合わせる必要があります。
Wordpressなどでは、記事のPV数ランキングをサイドバーのウィジェットに入れたり、コメントが投稿できたりという機能をプラグインなどで付けることができますが、Studioではこういった機能がないため難しいです。ランキングに関しては、手動で管理する形であれば簡易的に対応ができますが、コメント機能のようなユーザー側からデータを何か送信して表示する系の機能は基本的には難しいと考えてもらえれば良いと思います。
記事などを投稿する場合、Studioだとページネーションが作れません。その代わりに、もっと見るボタンで過去の記事を表示できるのと、文字列検索やカテゴリ検索は対応できるのでユーザーが古い記事にも辿り着きやすくする工夫が必要になります。
お客様などからフォームで問い合わせが来た際に、送信内容に対しての返信を自動で行うことはStudio単体では実現できません。外部サービスのZapierなどを活用することで実現することはできますが、余計な課金が必要になる場合がほとんどなので注意が必要です。
カルーセルスライドをStudioでは実装でき、自動でスライドショーにもすることができますが、最大件数が7枚となっているのと、よくある丸ポチやバーのガイドを表示することは構造上難しくなっています。色々と工夫して無理やり実装する方法も探せばあるかもしれませんが、5年ほど使っている中でいまだにいい方法がわかっていないのでデザインを作る際はご注意ください。
CMSにはマルチカテゴリを設定することができるので、一つの記事に2つのタグやカテゴリを付与することはできますが、カテゴリを複数指定した検索機能などは今のところ難しいです。もしかすると今後アップデートでできるように可能性も高い機能だとは思いますが、複数カテゴリでの絞り込みが必要な場合はご注意ください。
背景に動画を流したい、サイト内に動画を入れたいというニーズは少なくないと思いますが、Studioに直接動画をアップロードして再生することができません。ただし、埋め込み機能はあるためYouTubeを埋め込んだり、Vimeoの動画を背景動画として活用することは可能です。Vimeoを使う場合、綺麗に埋め込むには有料プランが必要になるのでご注意ください。
Studioでは、要素の出現時やホバー時の挙動などでアニメーションを付与して動かすことが可能です。ただし、複雑なアニメーションを実装したい場合はembed機能を使ってカスタムコードを使って動かす必要がある場合が多いので、複雑な動きの細かいこだわりがある場合は注意が必要です。
色々とStudioではできないことを解説しましたが、現在進行形で機能開発が進んでいる部分もあります。また、これまで実務でもStudioを活用してきた身としては、与件をしっかり把握した上でお客様とすり合わせができれば、スケジュールの短縮やセキュリティ管理のコスト感メリットなどを考えると、ほとんどの場合はStudioで良さそうというというケースが多かったため状況に応じて活用できると心強いツールであることは間違い無いと思います。
「Studio」はSEO対策に弱いというイメージを持たれている方もしばしばお見受けいたしますが、個人的にはアクセスを大量に集める必要があるような大規模メディアサイトなど以外であれば基本的に大きな優劣はないのではないかと経験上感じます。
例えば、一般的なテクニカルSEO対策として404ページの実装やタイトルタグ、構造化データ、属性設定などがあるかと思いますが、カスタムヘッダーや構造化データ機能を含むデフォルトの機能でほとんどはカバーができます。サイトマップも送信可能ですし、ファビコンやOGPの設定も問題なく行えます。
Google側もどちらかというとコンテンツの質や独自性を重視する傾向にあるため、コンテンツやキーワードさえしっかり押さえていれば、上位表示も問題ありません。
強いていうなら、ページ読み込み速度に関してはStudio側の仕様に依存するため、改善を待つことになりますが、時間の問題で解決されると思いますので大きな影響はないと思っても問題ないと思います。

最後にStudioの利用を検討されている方に伝えたいのは、何を使って作るかではなく、何を実現したいのかということです。WixやWordpressで指定された依頼もあるかと思いますが、なんのためになぜ指定なのかしっかり理解して比較し、Studioの方がメリットがあるのであれば活用するというスタンスで検討すると良いかと思います。
今後は正式なAI機能のリリースなども予想されますので、Wordpressでできなかったことが逆にできるようになったりするケースも増えてくるかもしれません。ぜひ楽しいStudioライフをお送りください。

Desigral | デザイラル 編集長
樹神 大輝(コタマ ヒロキ)
Desiral:デザイラル メディア編集部として不定期で更新します。デザイン界隈の最新ニュースからすぐ使えるノウハウまで、わかりやすく紹介。現役デザイナーがトレンドをキャッチアップしながらマイペースにお届けしています。